シャンパンレディ2024

矢作セレクトのフライトライン産駒 最速にして最強馬の血が世界へと羽ばたく

■ピックアップコメント
6戦無敗、後続につけた着差は計71馬身、米国馬史上最高のレーティング140。圧倒的な強さでアメリカのダートを駆け抜けたフライトラインの初年度産駒が、果てしない夢を乗せて日本にやってきました。

隆々とした筋肉が瞬時の加速を可能にし、地を這うようなフットワークがそれを持続させる。馬体にまだまだ未熟さを残しながらも、仲間とはしゃぐ放牧地での姿からは隠しきれない最強馬の遺伝子が伝わってきます。

アメリカで見初めて競り落とした矢作芳人調教師は、現地メディアに「この馬で再びブリーダーズカップ(BC)へ戻ってくる」と宣言しました。ラヴズオンリーユーでBCフィリー＆メアターフを制したバヌーシー×矢作調教師が再び狙う世界の頂点。父も制したBCクラシックを日本馬で初めて制するのは本馬かもしれません。

■配合診断
父は米国の大種牡馬Tapitの、晩年の大物にして最高傑作。母系に並ぶIndian Charlie、Dynaformer、Storm Catといった種牡馬にMr.Prospectorの3本のクロスなど、アメリカ血統の純粋培養とも言える配合で、スピードとその持続力を突き詰めた成果が忠実に表現されていました。他の追随を許さなかった速さは産駒にもしっかりと受け継がれることでしょう。

母系も典型的な米国血統で、母の全兄Mo Townは米ハリウッドダービー・GⅠの覇者。曾祖母Molto VitaもアメリカのGⅢホースで、遡ると種牡馬Raise a Native(Mr.Prospectorの父)の全姉である6代母My Sister Kateに行き着きます。

本馬のIndian charlieの3×3、A.P.Indyの4×4のクロスには、父の能力を真っすぐに伸ばそうとした意図が見えます。本場アメリカのダートでその推進力を見てみたくなります。

(最終更新日：2025年6月12日)